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| スティーヴン・M・マーティン監督『テルミン Theremin - An Electronic Odyssey』(1993年、米)|クラシック音楽名盤,名作紹介|Look4Wieck.com

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スティーヴン・M・マーティン監督『テルミン Theremin - An Electronic Odyssey』(1993年、米)



本日ご紹介の映画はドキュメント映画の『テルミン』。監督はスティーヴン・マーティンという方で、サンダンス・フィルム・フェスティバルでベスト・ドキュメンタリー賞受賞。日本公開は2001年でした。テルミンというと『のだめカンタービレ』などでも不思議な楽器として一挿話に使われていましたが、この映画は80分少々の長さでその”不思議な楽器”の全貌を手際よく伝えています。

出演者も多彩でインタビューを通じてさまざまな視点から歴史が語られます。テルミン演奏の第一人者クララ・ロックウェルは、テルミン博士のアメリカ時代の活躍やその頃の世間における受容の様を語ります。テルミン奏者である博士の従兄弟の姪リディア・カヴィーナは、博士の謎のアメリカ失踪事件の真相やロシア帰国後の興味深い秘話を語ります。その他にもテルミンに夢中になって実用的なシンセサイザーを開発したロバート・モーグ、Popソングの名曲《Good Vibration》でこの楽器を使用したビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソンなどが登場。

しかし、なんといっても発明者レフ・テルミン博士自身の姿とその語りが一番の見所と言えるでしょう。若い頃の発掘フィルムだけでなく、1993年に亡くなる博士の最晩年の姿が捉えられていて、歴史的にも貴重なものと思います。アメリカを再訪し、ロックウェル女史を訪問したり、ニューヨークを懐かしそうに歩く様など、見ていて微笑ましいシーンが多いです。特に私が気に入ったのは、老いた博士がテルミンを前にして、「ここに金属片をおくと音が良くなるよ」と人に借り受けたアーミー・ナイフをアンテナの当たりでいじるシーン。その際、どういうヒントでこの楽器を開発したのかと訊かれ、「ラジオをいじっていたらノイズが入った。その原因を調べているうちに段々ノイズを自由に操れるようになりました。」と答えていたのも印象的でした。こういう姿はいかにも研究者ですが、若い頃の映像はアヴァンギャルドの謎の美青年という感じで、その対比も面白いものでした。

テルミンの音や弾き方についてご興味がある方は、簡単な奏法の解説映像を見つけましたので、どうぞご覧下さい。

*****

さて、この映画で使用されていたクラシック音楽ですが、基本的にはロックウェル女史の演奏によるクラシックのアンコール・ピースのテルミン版となっていました。

チャイコフスキー《憂鬱なセレナーデ》
ドヴォルジャーク《ユーモレスク》
ラフマニノフ《ヴォーカリーゼ Vocalise》
シューベルト《エストラリッタ Estralitta》
ラヴェル《カディッシュ Kaddish》
フレイハン Fuleihan テルミンと管弦楽のための協奏曲
G.ガーシュイン《サマータイム》

殆どの曲は下の二枚のCDで聴くことができます。

The Art of Theremin
Clara Rockmore(Theremin)/Nadia Reisenberg(Pf)他
輸入盤

Clara Rockmore’s Lost Theremin Album
Clara Rockmore(Theremin)/Nadia Reisenberg(Pf)他
輸入盤
曲目の詳細はBridgeレーベルのwebsiteご参照のこと。

フレイハンの協奏曲はこちらです。独奏は勿論クララ・ロックモア、指揮はレオポルド・ストコフスキーです 。

Ionisation
Clara Rockmore(Theremin)/Leopold Stokowski(Pf)他
輸入盤

このCDはおかしな作品で、エドガー・ヴァレーズの《イオニゼーション》も入っていれば、トスカニーニがイギリス国家を、ヘンリー・ウッドがべートーヴェン交響曲8番を振ったりと、演奏者はかなりのメンバーだったりします。

博士の縁戚のリディア・カヴィーナ Lydia KavinaのCDも幾つかでています。

Music from the Ether: Original Works for Theremin
Lydia Kavina(Theremin)他
輸入盤

カヴィーナ女史の活動状況は、彼女の公式websiteで確認できます。

*****

映画とはちょっと離れて、テルミンを使ったクラシック音楽の代表的な作品というと、現代音楽ならば探せばいろいろあると思いますが、比較的” 古い ”いわゆるクラシック音楽の作品ならばチャールズ・アイブズの交響曲第4番が挙げられるでしょう。十分異色と思われる方も多いかも知れませんが・・・

小生も含めアイブズの曲もあまり耳にすることがないと思います。未だ!という方はお試しになられてはいかがでしょうか?どの演奏がいいと言えるほど熟知していないので、メジャーな演奏家で幾つかリンク致します。

アイヴズ:交響曲全集
Ch.v.ドホナーニ、 Z.メータ 、N.マリナー(指揮)/ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団、クリーブランド管弦楽団他
国内盤
輸入盤

Ives: Symphonies Nos. 1 & 4/Hymns
Michael Tilson Thomas(Cond.)/Chicago Symphony Orchestra & Chorus他
輸入盤

Ives: Symphony No.4 & Three Places in New England
Seiji Ozawa(Cond.)/Boston Symphony Orchestra他
輸入盤


本稿が皆様のお役に立てば幸いです。
また次週!





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