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ウェイン・ワン監督 『スモーク』(1995年、米・日)



監督は香港出身のウェイン・ワン。最近では、今年2007年に A Thousand Years of Good Prayers で、スペインの国際映画賞を受賞しています。

紐育煙草屋人情記 ― 『スモーク』を一言で表せば、このようになるでしょうか。

この作品、ポール・オースターの『オーギー・レンのクリスマス・ストーリー』という短編を読んだウェイン・ワン監督が、オースターに連絡を取って映画化が進んだそうです。原作にご興味のある方は、自ら邦訳を作って紹介されているwebsiteを見つけましたので、ぜひご覧ください。なかなか面白いものです。

原作者オースター自ら脚本を手がけておりますが、作風が普通の映画とちょっと違うのはそれが原因でしょうか?撮影にあたっては俳優にアドリブの自由を広くゆるしたと聞きます。些細な会話や演出が自然なのはそのせいなのでしょう。

あるようでないようなあらすじで、タバコ屋を営むオーギー・レンの周囲にさまざま人が現れては、それぞれ人生の諸相を見せるといったもの。日本公開当時に見た時は「なんとなく甘ったるい話だな」と思いましたが、10年経って見直すとところどころ惹き込まれている自分に気づきました。

一番感心したのは、今更ながら、オーギー・レンを演ずるハーヴェイ・カイテル。タバコ屋のオーナー店主レンは、毎朝決まった時間に同じ街角の写真を撮ることを10年来の習慣としています。一度だけその場面が出てきますが、歩道に三脚を構えて、時計を見て、写真を撮る ― たったこれだけの場面でもカイテルの演技はさすがです。日課のようなものだから、「一期一会の瞬間を撮る」といった気概が出てもおかしいし、あまりにいい加減でも変ですし、このあたりの微妙な具合がよく出ています。カイテルは、目や表情の演技が少ないのもいいと思いました。

*****

さて、『スモーク』で使われているクラシック音楽。それはショスタコーヴィチのピアノ曲 24のプレリュードとフーガ Op.87の第1曲です。この曲集は、バッハの平均率クラヴィーア曲集に刺激されて、1950年の10月から翌年2月に掛けて作曲されました。交響曲などで知るショスタコーヴィチとは異なって、古典的で清澄な作風です。

右上の映像は、親子でご活躍されている(セミ?)プロの演奏家兼教師の方の投稿映像(父親がヴァイオリニストでArt of Violinという講座を開いているそうで、その宣伝のための投稿映像のようです。弾いているのは、息子さんのピアノ弾き)。

レンの店の常連にポール・ベンジャミンという小説家 ― 演じ手はウィリアム・ハート ― が居りますが、ひょんなことで、レンが毎朝撮る写真のアルバムを見せてもらうことになりました。何も変わらないと飛ばして見る小説家に、「もっとゆっくりと見た方が良い。一枚一枚は違うのだから・・・」とレンが勧めます。ショスタコーヴィチの曲が流れるのはこの場面です。レンの言葉に従ってゆっくりと写真を眺めはじめたポール。彼が「ハッ」と息を呑んだとき、写真の中に見つけたものは今は亡き妻の姿でした。

*****

ショスタコーヴィチの24のプレリュードとフーガ Op.87の推薦盤と参りましょう。抜粋ながら、ピアノの腕も確かであった作曲者自身の録音が遺されています。

Shostakovich: Piano Concertos; 3 Fantastic Dances;5 Preludes & Fugues, Op. 87 [Original recording remastered]
A.Cluytens(Cond)/L’Orchestre National de la Radiodiffusion Française
D.Shostakovish(Pf)
輸入盤

ピアノ協奏曲第1番 Op.35、同第2番 Op.102その他が併収されていますが、そのピアノもショスタコーヴィチが担当。リズミカルでクリアーな演奏と言ってよいでしょうか。妙に感傷的にならずにあっさりとした名盤と思います。

ショスタコーヴィチというと交響曲が取り上げられることが一般ですが、他にも様々、交響曲とは随分違ったイメージの曲もあって、なかなか面白いものです。折角の機会なので二三ご紹介致しましょう。

交響曲と並んでショスタコーヴィチが多くの作品を書いたのは弦楽四重奏曲ボロディン弦楽四重奏団の名盤が出ています。

Shostakovich: String Quartets(Complete)
Borodin String Quartet, S.Richtel(Pf)他
輸入盤

若き日の作品弦楽八重奏曲 Op.11ピアノ五重奏曲 Op.57―ピアノにはスヴャトスラフ・リヒテルが参加した―が入っていて、交響曲以外のショスタコーヴィチ入門にはもってこいのセットです。

もう一つはショスタコーヴィチの遺作であるヴィオラ・ソナタ Op.147の入った一枚。リヒテルとその友人ユーリ・バシュメットの演奏です。

Shostakovich: Violin & Viola Sonatas
Y.Bashmet(Vc), O.Kagan(Vn), S.Richtel(Pf)他
輸入盤


ヴァイオリン・ソナタも Op.134ですから晩年の作品です。こちらはヴァイオリンをやはりリヒテルの友人オレグ・カガンがやさしくて芯の強い音で弾きます。

本日のCDはどれも名作・名演ですので、「交響曲以外はどういう作風なんだろう・・・」と気になったときは、ぜひどうぞ!





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