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ヘルベルト・フォン・カラヤン :: Herbert von Karajan

ヘルベルト・フォン・カラヤン :: Herbert von Karajan
生没年 生年 1908年4月5日 オーストリア、ザルツブルグ
1989年7月16日 オーストリア、ザルツブルグ近郊のアリフ(Arif)
文化圏 ドイツ・オーストリア
専門 指揮者

フルトヴェングラーの後任として、1955年にベルリン・フィルハーモニーの主席指揮者および音楽総監督に任命され、ベルリンはもちろんの事、ウィーン、ザルツブルグ、ロンドン、パリ、ミラノ等々世界の音楽の都に確固たる地位を築いたスター指揮者 ヘルベルト・フォン・カラヤン

2008年は「生誕100周年」と、世界的にも大々的にCD・DVDの最発売がなされ、2009年は今度は「没後20年」として、日本国内でもカラヤン関連の書籍の出版・TVの特集番組など数多の賑わせぶり。皆様もその内の幾つかはご覧になられたことと存じます。日本の事情は他国に比しても特別な加熱ぶりかもしれません。来日回数の多さに加えて、日本人音楽家を評価し、何人も引き立てたことが手伝っているのでしょう。しかし、指揮者の世界に限らず、演奏家全体の中でも、個人として、死してなおクラシック音楽ビジネスをこれほど潤し続けている人物はなかなか見つけ難いものです。

カラヤンは、毀誉褒貶の落差が激しい人物の代表格でもあります。しかも、クラシック好きを自認する人ほどアンチとなる傾向が強い・・・そう言ってしまっても違和感はないかと思います。それにもかかわらず、どうしてこれだけの存在感を保ち続けているのでしょうか?

世界的に彼の名声とビジネスが飛躍した一つのきっかけは、EMIレーベルの名ディレクター ウォルター・レッグとの出会い(名ソプラノ エリザベート・シュワルツコップの夫としても知られて居ります)。汚いと思われようとビジネスさえ成り立てば何でもやったと言われるレッグですから、「良心的」ファンは、その売り出し方に鼻白む思いを強くしたことでしょう。レッグのメディア戦略(当時の1950年代から60年代はLP)によりBoxセットで大きな売り上げを上げたカラヤン。依然、指揮者が、それぞれ得意の作曲家に専門的に組していた時代に、膨大なレパートリーを次々と録音、名曲の大半をLPレコードとして提供致しました。大成功したこの戦略の前提として、数多な曲を同じく数多の受容者に感心させる質で仕上げる優れた才能を有していたことは、疑い得ないことでしょう。

カラヤンは、以後も、新メディアを積極的に活用します。コンサートやオペラ映像の製作は勿論、クラシック界でCD導入にいち早く踏み切った(1981年)のも、彼でした。レーザーディスクについては、いち早く事業化したものの、今日私たちが知る通り普及を見ずに大失敗に終わっております。

これらの作品は、カラヤンのブランド名も高らかにいまだ華やかに店頭を飾ります。しかし、そのCDの大半はLP時代のリマスター。映像作品の中のカラヤンは、はつらつとした壮年期の放送を商品化したものを除けば、殆どが老人となってからのものです。映像作品としての面白さを追求したためか演奏そのものが映っていないことも、知る人に不評の原因となっています。

しかし、それでもカラヤンは売れる。これはやはり、カラヤンこそメディアが自らの時代の音楽普及にとって最大の武器だと看破し、誰よりも積極的にかつ存分に活かした人物だったからでしょう。

これほどの成功者は、カラヤン以後未だ登場しておりません。カラヤンの成功は先行者のみがなし得るものだったと考えてみても良いかと思います。

では、その人間性や音楽はどうだったのか−ご紹介するCDや書籍からご判断頂くに如くはないと存じます。いまは少し落ち着いてカラヤンを判断できる時代になっているのではないでしょうか?「カラヤン=クラシック音楽」と聞こえたほどの宣伝が忘れられると共に、多様なカラヤンの楽しみ方が生まれてくるかもしれません。

一つだけ指摘したいのは、メディアに没頭する前のカラヤン(その最後の年である1954年、彼はNHK交響楽団を指揮するため単独で来日、15回の演奏会を振っています)にいい笑顔の写真が残っていること。しかし、60年代以降になると、少なくとも表立っては、笑顔の写真が殆どパッタリ途絶えます。ジャケットその他の撮影にあたって、自らを写す角度にもこだわったカラヤンですから、意図的なイメージ戦略も多分にあったことでしょう。しかし、そういう態度を自らに課した彼の生涯が、果たして幸せだったか、不幸せだったのか、ちょっと考えさせられる事柄です。



L4W PickUp!

カラヤンの録音は大変長い期間に亘り、撮り直しも多いもの。どれから聞くかと実に迷う所。管弦楽だけに絞っても、晩年のマーラーの交響曲第9番やウィーン・フィルとのブルックナーの第7番第8番に、「カラヤンが本当に求めたもの」を見いだす声もあれば、新ヴィーン楽派の管弦楽曲、またはシベリウスの交響曲を推薦する向きもあるでしょう。ちょっとした交響詩での手際の良い処理に感心!という方も多いのでは?

輸入盤 Karajan:Symphony Edition(38枚組)の商品写真輸入盤では、70年代の録音を中心にベルリン・フィルを率いての交響曲を集めた廉価版Box Karajan:Symphony Edition(38枚組)などもリリースされております。

敢えて五つに絞ってご紹介するCD PickUp!では、カラヤンにもっとも親しみやすいものから、定評のあるもの、そして、なかなか手が出ないところまで、ユニークに、かつ、自信を持って選んでみました。 あわせてご紹介しているDVDや書籍も大変示唆深いもの。カラヤン理解・体験を深める一助となることを願っております!



CD PickUp!




DVD PickUp!




書籍 PickUp!


関連サイト

The New York Times: Herbert von Karajan Is Dead; Musical Perfectionist Was 81 By JOHN ROCKWELL
北米ニューヨーク・タイムズによる逝去翌日の懐古記事。外国紙のこういった記事は、情緒的に偲ぶよりも、包括的な理解を目指す内容が多く、なかなか読み応えがあります。ザルツブルグに生まれ、ワイマール共和国時代に頭角を現し、戦後に世界に活躍、晩年にはもめごとも・・・カラヤンの長い人生を、逸話・世間の評価・その音楽感等々織り交ぜながら、うまく纏めた記事。タイトルは試訳すれば、「音楽の完璧主義者ヘルベルト・フォン・カラヤン 81歳にて逝去す」。さすがカラヤンだけあって、簡潔にまとめても4頁の長さというべきでしょうか?

DW-World.de: Critic Explains Allure of von Karajan, 100 Years and Counting :
こちらはドイツの記事の英語版。2008年のカラヤン生誕100周年に当たって、ニューヨーク・タイムズの音楽・舞踊関連編集者James Oestreichにインタビューしたものです。質問のポイントがなかなか良く、おすすめの録音はなにか?ゴシップをどう考えるべきか?等々、気になる質問から入りつつ、再評価をするための一つの態度に読み手を導いて行きます。James Oestreich氏の締めの言葉が、なかなか素晴らしいもの。「わたしはカラヤンが、“クール”だの“豊饒”だのといった言葉とともに歴史に埋もれ、過去のものとなって欲しいとは思いません。カラヤンも多様だったのです」。

TIMES on Line: Gross misconduct? The centenary of Herbert von Karajan:
こちらはイギリスのタイムズオンラインの記事から。内容は上の二つを上回るものではありませんが、生誕100周年のカラヤン喧噪曲がイギリスにもあったと伺える記事です。

NPR: Herbert von Karajan’s Symphonic Obsessions:
再び北米のNPRの記事。これも生誕100年にあたっての記事ですが、カラヤンに引き立てられた女性ヴァイオリニスト ムターの言葉など、典型的なカラヤンの提示のされ方の一例としてご紹介致します。こういう捉え方で、果たして良いものか悪いものか、私も一般愛好家ながらいろいろと考えさせられます。

Karajan.Org: KARAJAN 2008:
最後になりますが、未亡人エリエッテとカラヤンによる財団 Eliette und Herbert von Karajan Institutの公式website。インタビューに、演奏風景などの映像が楽しめますが、残念ながら英語の字幕はありませんでした。記事は英語版完備です。プライヴェートな写真も公開されていて、そこに私生活でのびのびする顔を見るか、複雑な演技者の一面を見るか・・・人によって思いはさまざまでしょう。
以前は、公私織り交ぜた詳細なカラヤン年表があったのですが、いまは見当たらないのがちょっと残念です。


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