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アンドレイ・タルコフスキー監督 『惑星ソラリス』 (1972年、露)




哲学的SFなどとも呼ばれる、ロシアの巨匠タルコフスキー監督の『惑星ソラリス』。今更、新たに記事を書くべきことなどないほど、様々に語られておりますが、クラシック音楽と映画と言えば、やはり取り上げずにはまいりません。

ソラリスとは、地表のすべてを水のような物質に覆われた惑星で、人の心の中のものごとを具象化する謎の力を持っています。ソラリス軌道上の観測ステーションでは、その星の生み出す不思議な現象から心を病む者も出る始末。

そこで、問題を究明すべく新たに送り込まれたのが主人公の心理学者クリス。隊員の話を聞いてもなんとも事情がつかめない彼の前に現れたのは、自殺した美しい妻ハリーでした・・・

タルコフスキーと言えばタルコフスキーらしく、いかにもSF的な舞台装置は皆無。主人公と共に、停滞していく時の流れを楽しめれば、3時間もあるこの長編のとりこになってしまいます。

SFだからこそ舞台は広い宇宙ですが、クリスが見るものは自分の心のうちであり、この物語が問うものも、われわれの心の問題です。しかし、作品の中で、価値観が声高に語られないからこそ、それを見るわれわれがさまざまに思いをめぐらせることができるのでしょう。

まだご覧になってない方には、是非ともお薦めしたい作品です。

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この映画で使われたクラシック音楽といえば、ご存知の方も多いことでしょう。J.S.バッハ(Johann Sebastian Bach) のオルガン小曲集 オルゲルビュヒラインの一曲《主イエス・キリストよ、汝に呼ばわる》BWV639です。映画の冒頭や過去の回想シーンなどで繰り返し使われ、清澄で神秘的な雰囲気を効果的に作り上げています。

使用曲はこれ一曲ですが、この作品では、音楽にとどまらず、音そのものを扱うタルコフスキー監督の繊細さに気づかされます。水の流れる音、虫の鳴く声、葉音、雨音。これらのさまざまな音が、われわれが普段気にもとめないなにかを思い出させます。『惑星ソラリス』と言えばバッハと語られるに至ったのは、タルコフスキー監督の根本的な音のセンスなのだと、そう思います。

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さて推薦盤ですが、BWV639を扱ったオルガン曲集では盲目の演奏者ヘルムート・ヴァルヒャが、いまもってスタンダードといってよいと思います。

バッハ:オルガン名曲集
ヘルムート・ヴァルヒャ(Org)
国内盤

ヴァルヒャには、12枚組の大部のオルガン作品集もあります。素晴らしい音楽に溢れているので、上の一枚ものがお気に入りましたら、こちらをいろいろと聴いてみるのも良いかと思います。

バッハ:オルガン作品全集
ヘルムート・ヴァルヒャ(Org)
国内盤

この曲にはピアノ編曲もありますが、古いものながら巨匠の名録音があるので、併せてご紹介致します。演奏者はディヌ・リパッティウィルヘルム・ケンプで。

ピアノ小品集
ディヌ・リパッティ(Pf)
国内盤

Favorite Piano Transcriptions
ウィルヘルム・ケンプ(Pf)
輸入盤


最後になりますが、原作『ソラリスの陽の下で』もあわせてお楽しみになっても面白いかと存じます。映画とは随分趣向が違っていて、SFファンには原作の方が楽しめるものでしょう。

しばらくぶりに記事を更新しましたが、今後は更新の頻度も上げてまいりますので、引き続きご愛顧お願いいたします。





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