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TVアニメ 石原立也監督 『涼宮ハルヒの憂鬱』 (2006年、日本) 〜 《射手座の日》から




さて、アニメとコミックのクラシック音楽第一回で採り上げる作品は、『涼宮ハルヒの憂鬱』 です。2003年発表のライトノベルを原作とし、2006年にはTVアニメーション化され、アニメ・ファンを越えて話題となりました。

基本的にはコアなアニメーション・ファン向けの作品といえるでしょう。女の子の描き方などで、苦手に思う方も居らっしゃるやも知れません。その点だけ除けば、SF要素もあれば、謎解きのサスペンス要素もある、少々はちゃめちゃな学園ドラマとして、誰でも十分に楽しめると思います。

骨格は、古典的なビルドゥングス・ロマーンと言ってよいでしょうか。ヒロインの女の子ハルヒを中心とする登場人物は、結構デリケートに描かれ、全体として押し付けがましくない肯定的なメッセージを持っていて、私は好感を持ちました。

全14話の作品ですが、シリーズ後半で、音楽の使い方が大胆になり、最終回のクライマックスへの高揚感を演出しています。全話を通じて、自然音、そして、無音の扱いが結構上手いのですが、そういう製作者が、いざ音楽を扱えばこれまた上手という一例と思います。これも取り上げようと考えた理由です。

余談ながら、TV放送の順番とDVDでの順番に異動があって、この点は、結構大事なことですので、次週、詳細ご説明いたします!

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さて、この《射手座の日》は、主人公らが、仇敵(?)コンピュータ研究会とゲームで対戦するという一挿話。これが、なかなかと思わせる選曲および使い方で、製作者の方も結構クラシック好きと感じました。

冒頭では、ラヴェルの《ダフニスとクロエ》が流れます。中盤では、ゲーム・ミュージックとして、ショスタコーヴィチの交響曲第7番 第一楽章からテーマを借用。クライマックスでは、チャイコフスキー交響曲第4番 第四楽章を長めに用いて、見事!!な盛り上がりを見せます。

知人曰く、この選曲には『銀河英雄伝説』のパロディ要素もあるとのこと。そこまでいくと自分には不案内ですが・・・

チャイコフスキーの4番については、シカゴ交響楽団の公式YouTubeチャンネルに、面白いドキュメントあり。英語ですが、どんな曲かは感じをつかむに十分かと思います。

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ラヴェルの《ダフニスとクロエ》管弦楽曲版は、1912年パリで初演。前衛的なディアギレフ率いるロシア・バレエ団の為に作曲されました。録音は多数ありますが、一般にフランス系の指揮者のものが評価が高いようです。古くはピエール・モントゥーや、エルンスト・アンセルメ指揮のものも悪くなく、甲乙付けがたいのですが、ここでは以下の三種を挙げておきます。

Ravel: Daphnis et Chloé
A.Cluytens(Cond.)/Orchestre de la Société des Concerts du Conservatoire
輸入盤

Maurice Ravel: Daphnis et Chloé, La Valse
Pierre Boulez(Cond.)/Berliner Philharmoniker
輸入盤

Debussy & Ravel: Orchestral Works (8CDs)
Jean Martinon(Cond.)/Orchestre national de l’ORTF, Orchestre de Paris, Itzhak Perlman(Vn), Aldo Ciccolini(Pf)
輸入盤

クリュイタンス盤は随分前から世評が高いもの。

ブーレーズ盤は、よく言われることですが、録音の新しさ以上にいろいろな音が、聞こえてきて面白いところが多々。ラヴェルの印象もちょっと変わります。個人的には、SONYから発売されているブレーズの前の録音も捨てがたいです。

マルティノンのBoxは、ドビュッシーの管弦楽曲も併せて安価なもの。なんとなく聞きやすく、私はこれを手に取ることも多いです。

次には、ショスタコーヴィチですが、そう言えば、皆さんは来月(2007年11月)から日比谷公会堂で開かれるショスタコーヴィチの全交響曲演奏会はご存知ですか?指揮は、井上道義氏。私は日程的に一度しかいけませんが、偶然今回取り上げた第7番でした。今から楽しみです。

ショスタコーヴィチの交響曲の名盤といいますと、吉田秀和氏が以前紹介して評判になったルドルフ・バルシャイ指揮のものが、演奏も良い上に、全交響曲セットにして大変安価。

Shostakovich: Symphonies [Box set]
Rudolf Barshai(Cond.)/WDR Symphony Orchestra
輸入盤

この記事を書いている時点では、Amazon.co.jpには在庫がないようですが、大きなCD Shopでせいぜい3000円半ばと思いますので、写真を元にお探しください!

単品では、やはり、ムラヴィンスキー指揮を挙げたいと思います。

Shostakovich: Symphony No. 7 “Leningrad”
Yevgeny Mravinsky(Cond.)/Leningrad Philharmonic Orchestra
輸入盤

1953年スタジオ録音。当時のロシアですから、音質は今ひとつ。聴こえにくい音も多々あるのですが、時代背景の諸々もあるのでしょうか、ショスタコーヴィチ=ムラヴィンスキーならではの独特の迫力があります。

さて、最後はチャイコフスキーの4番ですが、やはり、ムラヴィンスキーの録音で。グラモフォンからリリースされているのは、後期の三つの交響曲のセット。定番中の定番でしょう。甘美さに髄しないというところが、やはり、ムラヴィンスキーです。

チャイコフスキー:交響曲第4番、第5番、第6番《悲愴》
エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮
/ レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団
国内盤
輸入盤

テンポの遅い晩年のチェリビダッケの録音も、結構気に入っています。これはこれで、スケールが大きく、ロマンティックさも、勇壮さも、至極真剣に弾かれた一枚。併収の《くるみ割り人形》組曲がまた素晴らしい出来です!クラシックを30年弱聴いてきて、いまさら《花のワルツ》に、これほど、胸が一杯になるとは思いませんでした。

Tchaikovsky: Symphony 4 & Nutcracker Suite
Sergiu Celibidache(Cond) / Münchner Philharmoniker
輸入盤


無闇と急かすのは、併サイトの方針に反するのですが、EMIのチェリビダッケの録音は、カタログ落ちの噂も聞きますので、購入は急がれたほうが良いかも知れません。

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本稿を仕上げている間に、『涼宮ハルヒとクラシック』と題された記事を見つけました。この記事も蛇足になってしまったかも知れません。そこでは使用音源の推測もされています。ラヴェルとチャイコフスキーの音源は、それぞれ上述のクリュイタンスとムラヴィンスキーだそうです。これらの録音がそれだけ定評があるということでしょうか。ショスタコーヴィチは、グラモフォンから出ているゲルギエフ指揮の録音とのこと。

この方のwebsiteでは、往年のロシアの名指揮者ムラヴィンスキーについての詳しい頁もあって、私も大変面白く読みました。皆様もぜひどうぞ。

では、また来週!





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