二ノ宮知子『のだめカンタービレ』を題材に、Look4Wieck.comのおすすめ名盤・名著をご紹介しております。この度は第12巻 Lesson 65〜70!
のだめを契機にいろいろ聞くぞ!でも、何から聴いたら・・・とお迷いの方に、楽しんで頂けたら幸いです。書き手の趣味がありますので、そこはご容赦を!
二ノ宮知子『のだめカンタービレ』第12巻 曲目Index
Look4Wieck.comが選ぶ、迷ったときのおすすめ名盤《第12巻》Lesson 65〜70
- 巻頭扉絵の楽譜、Lesson 65&66) ラヴェル:管弦楽曲版《マ・メール・ロワ》
- Lesson66) 武満徹:遠い呼び声の彼方へ!
- Lesson66) シベリウス:交響曲第2番 ニ長調 Op.43
- Lesson67) ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番 ハ短調 Op.13《悲愴》(既出ながら違う録音でご紹介)
- Lesson67) プッチーニ:歌劇《ラ・ボエーム》
- Lesson69) J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第2巻 第5番 BWV874 & 第14番 BWV883(既出ながら違う録音でご紹介)
◎モーリス・ラヴェル:管弦楽曲版《マ・メール・ロワ》
巻頭扉絵の楽譜、Lesson 65&66) 千秋とのだめがアナリーゼする曲
元々は、ペロー、ボーモン夫人らの童謡集を題材に、四手の子供向けピアノ曲として作曲された作品。後に管弦楽およびバレエ用の音楽に編曲されました。簡潔で、機智に溢れ、さまざまな情景が思い浮かぶラヴェルらしい曲の一つ。
おすすめ名盤:
管弦楽曲は、すでにご紹介ずみですが、価格的にもおやすい一昔前の録音から、
CD クリュイタンス指揮/パリ音楽院管弦楽団 ラヴェル:「マ・メール・ロア」全曲、他
輸入盤CD マルティノン指揮/パリ管弦楽団ほか ドビュッシー&ラヴェル:管弦楽曲集(8枚組)
元々のピアノの盤を聞いてみたいという方には、のだめカンタービレ第10巻のおすすめ記事で取り上げた録音をどうぞ!
おすすめ書籍:
完訳 ペロー童話集 (岩波文庫)
ボーモン夫人『美女と野獣』・メーテルリンク『青い鳥』
いま手に入り易い童謡集で原作を挙げると、第一曲「眠りの森の美女」と第二曲「親指小僧」はペローの童話集、第四曲「美女と野獣」はボーモン夫人のものからとなります。第三曲は、ドーノア伯爵夫人の童謡に由来するそうですが、邦訳はないようです。
◎武満徹:遠い呼び声の彼方へ!
Lesson66 千秋のパリ・デビュー・コンサートの曲。「私は日本人ですーって丁寧な挨拶」
武満徹の1980年の作品で、ヴァイオリンと管弦楽のための曲。ひとことで何と言って良いのか難しいのですが、さまざまな響き、色彩感、みずみずしさ等々、不思議にうつくしい音楽です。
おすすめ名盤:
CD シャルル・デュトワ指揮/NHK交響楽団 諏訪内晶子(Vn) 武満徹:遠い呼び声の彼方へ!&弦楽の為のレクイエムほか
CD 若杉弘指揮/東京都交響楽団 堀米ゆず子(Vn) 武満徹:管弦楽作品集 vol1ノヴェンバー・ステップス、弦楽のためのレクイエム、遠い呼び声の彼方へ!他
今現在、この曲で入手しやすい二点。カップリングの曲も異なりますので、お好きな方で。
おすすめ書籍:
武満徹著作集〈3〉遠い呼び声の彼方へ・時間の園丁・夢の引用
『武満徹対談選―仕事の夢 夢の仕事 (ちくま学芸文庫) 』
武満徹氏の手に入りやすい伝記には、近年でた楢崎 洋子著『作曲家◎人と作品 武満徹』がありますが、作曲家みずからの文章が多く出版されております。「こういう曲を書く方の文章だな・・・」と思う節が多々あって、曲への親近感も増すやも知れません。
浩瀚な著作集も出て居りまして、装丁の印象と違って読み易い文章も多いのでご一読を!
「単行本はちょっと・・・」という方には、文庫も多くございますので、ご安心を!試みにあげた文庫は、秋吉敏子、寺山修司、キース・ジャレットその他と、さまざまなジャンルの方との対談集。話題も多岐に及んで、よみやすく面白いもの。
◎ジャン・シベリウス:交響曲第2番 ニ長調 Op.43
Lesson66 千秋のパリ・デビュー・コンサート、ラストの曲。
フィンランドの作曲家シベリウス(1865〜1957)が1902年に作曲した交響曲。当時ロシアに併合されていたフィンランドですが、この曲は発表当時は、独立・自由を求めるフィンランドをあらわした曲と見なされたそうです(作曲家自身は政治的な解釈を後に否定しております・・・)。
おすすめ名盤:
輸入盤CD ベルグルンド指揮 シベリウス:交響曲全集&交響詩集
大変安価に、シベリウスの交響曲全曲と交響詩がきけるBox。シベリウスの校訂楽譜編集にもかかわったベルグルンド指揮。交響詩も重要分野ですし、一枚一枚買うよりも断然お買い得なありがたいセットです。
輸入盤CD バルビローリ指揮 シベリウス:交響曲全集&交響詩集
今ひとつは、シベリウスの普及に役割の大きかったバルビローリ指揮/ハレ管弦楽団の全集。バルビローリらしく、柔らかに歌いながら、バランスよく、といって結構劇的な音楽です。バルビローリの紹介&おすすめ記事をアップしておりますので、よろしければご覧下さい。
その他、近年録音も増えて居りますので、他に単売品を探されたいかたはこちらをどうぞ!
>> シベリウスの交響曲をもっとさがす(Look4Wieck.comの検索機能が開きます)
おすすめ書籍:
大束 省三 著『北欧音楽入門―付・北欧主要音楽家人名一覧 (音楽選書)』
意外に北欧作曲家の書籍で、おすすめしやすいものは少ないのですが・・・
こちらもいまは古書でしか手に入らないものですが、北欧の作曲家をひとならべにしてあって、その概要がつかめる良書。
◎ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番 ハ短調 Op.13《悲愴》
Lesson67 パリのアパルトマンで。「はじめて会った時、こいつが弾いていた曲・・・・・・」
ベートーヴェンの初期のソナタで、《悲愴》はベートーヴェン自身が付けたタイトルです。ベートーヴェンが物語的、心情描写的な曲を明確に打ち出した最初期の試みの一つです。
おすすめ名盤:
ベートーヴェンのソナタはぜひ全曲を!という方針で、第1巻の関する記事と第9巻に関するそれの中で、今現在合計四つのソナタ全集のおすすめ名盤を挙げて居ります。今回は、ただいま進行中のベートーヴェン全集から面白い試みを。
CD 大井浩明(フォルテピアノ) ベートーヴェン:フォルテピアノのためのソナタ III
現代ピアノで弾かれるからこそ“ピアノソナタ”ですが、それをベートーヴェンも使っていたであろうピアノの前身 フォルテピアノで録音しようというプロジェクト。左右の音が、奇麗にクリアーに聴こえて、面白い体験です!楽譜をお持ちの方には、本来のベートーヴェンの指示がどう再現されているのか、興味津々になるのでは?
現代ピアノの前身ゆえに、「音がドライ」だとか、「表現力がない」ですとか、そんなイメージを持たれることが多いのですが、大井氏はそういった誤解を解くかのように、現代ピアノにはないフォルテピアノの豊かな表現力を引き出します。
兎角、演奏者の個人的な思い入れをたっぷり盛り込んだ“うっとり”演奏が多い現在、きちんと楽器と楽譜に対峙して、音楽を聴かせる良い演奏としても貴重なもの。
おすすめ書籍:
園田高弘&諸井誠『ベートーヴェンのピアノ・ソナタ―分析と演奏 往復書簡』
名ピアニスト 園田高弘と作曲家 諸井誠の往復書簡集。お二方とも、ユニークできちっと考え、はっきり語る方です。そのやり取りは、たまに専門的で歯が立たなくても、一般愛好家が読んでも十分に楽しいもの。二人の立場が、演奏家と作曲家と異なっておりますが、その視点の違いから生まれてくるさまざまがまた大変興味深いものです。
◎ジャコモ・プッチーニ:歌劇《ラ・ボエーム》
Lesson67 下宿の管理人と画家ムッシュー長田の寸劇。
《マノン・レスコー》で成功したプッチーニの次回作。30代後半の作品で、パリのうらぶれた屋根裏部屋に暮らす貧しい詩人ロドルフォとお針子ミミの悲恋物語。往年の名指揮者トスカニーニが初演しました。
おすすめ名盤:
DVD ゲオルギュー(ソプラノ)、ルイゾッティ指揮 プッチーニ:歌劇《ラ・ボエーム》MET2008年ライヴ
2008年のニューヨーク メトロポリタン歌劇場のライヴ映像から。主役のミミを歌うアンジェラ・ゲオルギューの美貌が、薄幸のヒロインにぴったりでは?国内盤ですが、価格も抑えめの設定で、おすすめしやすいDVDです。
DVD レナータ・スコット(ソプラノ)、パヴァロッティ(テノール)、レヴァイン指揮 プッチーニ:歌劇《ラ・ボエーム》MET1977年ライヴ
こちらは同じくMETのライヴですが、1977年録音で長らく一つの定番だったものが安価に再登場!パヴァロッティやスコットといった大物歌手の公演です。発売予定日は2009年6月24日。ただいま予約受付中で、Amazonは予約期間のDVDの価格値引きが多いので、今現在お買い得です!
おすすめ書籍:
南条 年章 著『作曲家◎人と作品プッチーニ』
伝記と主要作品紹介からなる一般的伝記としておすすめしやすい音楽之友社 作曲家◎人と作品シリーズの一冊。知っているようで、意外と知らないのがプッチーニでは?主要作品紹介では、あらすじなども比較的細かに説明されていて、今後のオペラ鑑賞にも役立つ一冊です。
◎ヨハン・セバスティアン・バッハ:平均律クラヴィーア曲集第2巻 第5番 BWV874 & 第14番 BWV883
Lesson69 のだめとリュカが練習中の曲
24の全ての調の前奏曲とフーガからなる鍵盤曲集。いまさら何をか況やの、バッハの鍵盤楽曲の代表曲の一つ。
おすすめ名盤:
バッハの平均律クラヴィーア曲集は、第8巻で既に登場済みで、グールドのピアノ、鈴木雅明のチェンバロの二種の録音をおすすめしております。グールドは、現代ピアノでの奏法に新しい息吹を吹き込んだ録音で、鈴木はチェンバロのイメージを変えるような表情豊かな演奏が素晴らしいもの。
今回は、それらともまた違った傾向の名盤をもう一つ。
輸入盤CD エドウィン・フィッシャー(P) J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集
現代ピアノによるバッハの演奏。1930年代の録音で大変古いものですが、エドウィン・フィッシャーならではの澄み切って柔らかな音でエスプレッシーヴォの局地を見せれば、荘厳な演奏もあり。詩情とでもいうほかない雰囲気は、まさにフィッシャーだな、、、と第一曲から惹き込まれてしまいます。これはこれで素晴らしくユニークな名演!おすすめです。
おすすめ書籍:
鈴木 雅明・加藤 浩子著『バッハからの贈りもの』
すでにご紹介ずみながら、この著作、バッハ入門としても、また、ある程度利かれた方がもっと深く知りたいと思われた時にも強くおすすめの一冊。弊サイトの名著紹介記事にて、詳細をご案内しております、
クラシック音楽名著のご案内:鈴木 雅明・加藤 浩子『バッハからの贈りもの』−バッハ入門に最適!
お時間のあらばご笑覧ください。
のだめカンタービレ第12巻についての、Look4Wieck.comのおすすめ名盤・名著でした。
最新刊にはまだまだ急がねばでありますが、なにはともあれ一風変わったご紹介になっていれば幸いです。タイムリーなご購読には、ぜひRSSをご活用ください。
では!
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