二ノ宮知子『のだめカンタービレ』を題材に、Look4Wieck.comから、おすすめ名盤・名著をご紹介しております。
すっかり出遅れておりますが、それもまた弊サイト流!100年、200年前の音楽を聴くのに、急いでも仕方ありません・・・
今回は第2巻 Lesson7〜12および 第3巻 Lesson13〜18 について。
のだめを契機にいろいろ聞くぞ!という方に、もし迷っていたら、こんなものでは?というおすすめであります。基本方針は!
- 「趣味と偏見と遊び心」で、マイナーになりすぎず、世間の人気にとらわれすぎず、なるべく複数の違ったタイプの演奏、違った年代の演奏を挙げるよう試みました。
- 最初はなるべくお金を使わず、図書館などで借りて、広く聞きまくることがおすすめです。最初に「う〜ん、、、」と感じた、曲や演奏家も後から、「あっ!」と思ったり。最初に出費してしまうと、中々いろいろ聴き難いかなと。
- おすすめの本も挙げてみました。これも大きな図書館なら置いてあると思います(Amazon.co.jpの古書価格は時折高すぎますので、ご注意を)。もし、お時間があったらぜひどうぞ!
前置きが長くなりすぎる癖があって、すみません。では、参りましょう。
二ノ宮知子『のだめカンタービレ』第2巻&第3巻 曲目Index
Look4Wieck.comが選ぶ、迷ったときのおすすめ名盤《第2巻》Lesson 7〜12
- Lesson8) ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 Op.125
- Lesson11) マーラー:交響曲第8番 変ホ長調 − 千人の交響曲
- Lesson11) チャイコフスキー:バレエ音楽《くるみ割り人形》Op.71
- Lesson12) ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 Op.92
《第3巻》Lesson 13〜18
- Lesson14) ベートーヴェン:交響曲第3番 変ホ長調 Op.55《英雄》
◎ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 Op.125
Lesson8 あなたへの熱い想いをこのティンパニーに託します・・・
おすすめ名盤:
輸入盤CD フルトヴェングラー指揮 バイロイト音楽祭ライヴ ベートーヴェン:交響曲第九番
第9番も名演が多く、そもそも誰の演奏であっても、すっかり感心するものですが、やはり、著名な1951年のバイロイト音楽祭ライヴ録音。録音が悪いのが唯一の難点でしたが、このバイエルン放送局音源を用いたCDで、その点も解消!勿論当時の録音で限度はありますが、従来のこのライヴのCDと違い、楽器の音色、弾き方、吹き方の違いも判ります。おすすめです。
CD フリッチャイ指揮ベルリン・フィル ベートーヴェン:交響曲第9番
ハンガリー出身の名指揮者フェレンツ・フリッチャイの名盤。これも古く1950年代の後半の録音ですが、音質は全然問題にならないと思います。フリッチャイもフルトヴェングラーに負けず劣らず表現力があり、オーケストラから、その個々の楽器から、さまざまな音色を引き出して、見事な音楽を作ります。こちらもぜひ!
おすすめ名著:
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー著『音と言葉』
上述の指揮者フルトヴェングラーの論文・エッセイ集。専門的なものでもなく、誰でも読めるものなので、ぜひどうぞ。ベートーヴェンに関しても、数篇割かれます。ベートーヴェンの音楽の我々にとっての意義を語った『ベートーヴェンと私たち』など大変興味深く、感銘深い文章です。
◎グスタフ・マーラー:交響曲第8番 変ホ長調 − 千人の交響曲
Lesson11 こんな美しいマーラーを降る人が、、、シュトレーゼマンだったとは、、、
DVD テンシュテット指揮 マーラー:交響曲第1番&第8番
この巨大な規模を視覚でも楽しめるようにDVDで!マーラーの名指揮者クラウス・テンシュテットの名演です。国内盤が品切れの場合は、輸入盤でどうぞ。実際はリージョンフリーで、英語字幕で問題なければ、マーケットプレイスでは輸入盤が安いことも多いです、これで十分と思います。輸入版をお探しの場合は、Look4Wieck.comのTop頁の上にある検索窓口を使い、検索対象をDVDに、キーワードに tennstedt mahler 8 と入れて、探してみてください。
輸入盤CD テンシュテット指揮 マーラー:交響曲全集(EMI廉価版Box 11枚組)
輸入盤で歌詞カードは、英語に対訳してちゃんとついています。マーラーも全曲聴くことになると思いますので、全集をご紹介。国内盤も単売で出ていますが、マーケットプレイスで安いので輸入盤全集にしました。交響曲1-9番と10番のアダージョを収録。《大地の歌》は入っていないので、ご注意を。テンシュテットのマーラーは、迫力・情熱に溢れながら、感傷的にならない、素晴らしいものです。
おすすめドキュメント:
柴田 南雄 著『グスタフ・マーラー 現代音楽への道 (岩波新書)』
マーラーの曲の紹介は勿論、日本での受容史をコンパクトにまとめています。著者はおだやかに筆を運びますが、熱意が伝わります。名録音の紹介にも触れてあって、マーラーを聴き進めるにも役立ちます。
◎ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー:バレエ音楽《くるみ割り人形》Op.71
Lesson11 飲み会で真澄が、踊る《くるみ割り人間》
おすすめ名盤:
輸入盤CD チェリビダッケ指揮 チャイコフスキー:交響曲第4番&《くるみ割り人形》組曲
晩年のミュンヘン・フィルとの録音ですが、この《くるみ割り人形》は主要曲を集めた組曲盤です。これがゆったりとしたテンポで、ほんとに愛らしい名盤。《花のワルツ》でこんなに胸が溢れる演奏はない!と言いたいくらいです。ぜひ!
輸入盤CD アルトゥール・ロジンスキー指揮 チャイコフスキー:くるみ割り人形(全曲)
全曲盤では、このアルトゥール・ロジンスキー指揮の録音ではいかがでしょうか?ストコフスキーに呼ばれて渡米、NBC交響楽団の創立者の一人でもあった人物。1950年代の録音ですが、往年の指揮者らしいオーソドックスな巧さ(といっては、乱暴ですが、、、)があると思います。こちらもカップリングは、交響曲第4番。お試しあれ!
おすすめ名著:
森田 稔 著『カラー版 作曲家の生涯 チャイコフスキイ(新潮文庫)』
豊富な写真図版が、イメージを膨らませる新潮文庫のカラー版 作曲家の生涯の一冊。このシリーズは、内容も充実して大変おすすめながら、このチャイコフスキイなど古書でしか手に入らないのが、残念です。
◎ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 Op.92
Lesson12 シュトーレゼマンの代役に千秋が立ったものの・・・
おすすめ名盤:
CD カルロス・クライバー指揮/バイエルン国立 ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調Op.92(ライヴ)
C.クライバーのスタジオ録音がカップリングの第5番 ハ短調と共に著名ですが、多分、本サイト右サイドのベストセラーにそれが出ていると思いますので、ここでのおすすめはライヴ盤で。躍動感に溢れる爽快さは、スタジオ盤より上では!?と思わせます。あっと言う間に一曲駆け抜ける輝かしさです。
輸入盤CD フルトヴェングラー指揮 ベートーヴェン:交響曲全集(5枚組)
フルトヴェングラー指揮のベートーヴェンは、3,5,7,9番は名演と大変に誉れ高いもの。あまり云々されない残りの1,2,4,6,8番も私はフルトヴェングラーらしく素晴らしいと思います。曲によって、音質が悪いことは確かにありますが、この輸入盤全集ならば安価に手に入ることも魅力。この7番は、上のクライバー盤とは傾向が違って、低音がうねる重厚な迫力。これもまた大変魅力的なので、ぜひどうぞ!
なお、フルトヴェングラーの録音は、何年のなになに録音か?を考えるとややこしく、ジャケット替え再販が頻繁な国内盤などなにがなんだか判らない状況。この輸入盤全集に収められているものは、定評の高い録音で、その点の心配はひとまずご無用です。
おすすめ名著:
ベートーヴェン『音楽ノート(岩波文庫)』
ベートーヴェンの手記から、作曲家本人の言葉を集めた一冊。ベートーヴェンが日々自らを励まつつ、弱さも克服して、あのような数々の名作を生んでいたことが判る感動の書籍です。
◎ベートーヴェン:交響曲第3番 変ホ長調 Op.55《英雄》
Lesson14 Sオケの定期公演デビュー曲。第3巻全般に頻出。
おすすめ名盤:
ベートーヴェンの交響曲はぜひ全集で!という基本方針です。以下、既出の全集を並べますと。
輸入盤CD アンドレ・クリュイタンス指揮 ベートーヴェン:交響曲全集(5枚組)
第二次戦後のベルリン・フィルが初のベートーヴェン交響曲全集録音に選抜した指揮者がこのフランスの指揮者アンドレ・クリュイタンス。1957〜60年の録音ですが、音質にはなんの問題もなし。今やまったく顧みられない録音ですが、さっそうとした躍動感が素晴らしい全集。価格もリンク先ご覧の通り、驚くほどの安価です(新譜1〜2枚分)。騙されたと思って、ぜひお試しください!この交響曲第3番でも、クリュイタンスとベルリン・フィルの作る響きのバランスの良さ、細やかさ、鮮やかさはびっくりするほど気持ちよいものです!
輸入盤CD フルトヴェングラー指揮 ベートーヴェン:交響曲全集(5枚組)
フルトヴェングラーの重厚な迫力の全集。フルトヴェングラー入門にも最適のセットです。安価が魅了な輸入盤と致しました。この中に収録のベートーヴェンの3番も最高の名演と唱われてきたもの。おすすめです!
輸入盤CD アーノンクールのベートーヴェン名演集(14枚組) 全交響曲・協奏曲
いわゆるピリオド奏法をベートーヴェンに大胆に取り入れての試み。オーケストラは現代楽器を用いていますが、古楽演奏が増えたいまでも、もっとも刺激的な録音でしょう。この14枚組は、交響曲・協奏曲(ピアノ、ヴァイオリン、三重協奏曲)を全曲に、《ミサ・ソレムニス》、《プロメテウスの創造物》、序曲集等集めた豪華なセット。リンク先、Amazon頁では判り難いですが輸入盤です。
おすすめ名著:
池辺 晋一郎 著『ベートーヴェンの音符たち 池辺晋一郎の「新ベートーヴェン考」』
N響アワーの司会でおなじみの作曲家 池辺 晋一郎さんが、さまざまな曲を取り上げて、その素晴らしさを作曲家の立場から一般の愛好家向けに判りやすく解説します。音楽家としてのベートーヴェンが身近に感じられる好著。「手始めになにを聴けば?」という名曲案内にももってこいです。
のだめカンタービレ第2巻&第3巻についての、Look4Wieck.comのおすすめ名盤・名著はご覧いただいた通りです。
既巻に追いつくまでまだまだですが、、、一風変わったものになっていれば幸いです。タイムリーなご購読には、RSSをご活用ください。
では!
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