二ノ宮知子『のだめカンタービレ』を題材に、Look4Wieck.comのおすすめ名盤・名著をご紹介しております。今回は第6巻 Lesson 29〜34の登場曲で。
のだめを契機にいろいろ聞くぞ!でも、何から聴いたら・・・とお迷いの方に、楽しんで頂けたら幸いです。書き手の趣味がありますので、そこはご容赦を!
二ノ宮知子『のだめカンタービレ』第6巻 曲目Index
Look4Wieck.comが選ぶ、迷ったときのおすすめ名盤《第6巻》Lesson 24〜28 & おまけの特別編
- 巻頭扉絵の楽譜 ガーシュイン:ラプソディー・イン・ブルー(既出。第五巻の該当記事へ)
- Lesson29&31) リスト:メフィスト・ワルツ 第1番《村の居酒屋での踊り》
- Lesson31) ジョリヴェ:パーカッションとオーケストラのための協奏曲
- Lesson33) J.S.バッハ:マタイ受難曲 BWV244
- Lesson33) ヴァイオリニスト ヤッシャ・ハイフェッツの録音
- Lesson33) フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調
- Lesson33&34) エルガー:ヴァイオリン・ソナタ、威風堂々ほか
◎フランツ・リスト:メフィスト・ワルツ 第1番《村の居酒屋での踊り》
Lesson29&31 千秋が卒業式で弾いた曲
おすすめ名盤:
CD アーティスト・オブ・ザ・センチュリー:世紀の名演奏家1 ホロヴィッツ
いかにもホロヴィッツ!な名人芸の録音があります。とんだり跳ねたりの怪演が曲の凄みを増します。現在、国内盤では、小曲を中心に名人芸的録音を集めた二枚組に収録。もし、ホロヴィッツの他のリストの録音をまとめてお聞きになりたい場合は、輸入盤のホロヴィッツのリスト録音集が良いのでは?
輸入盤CD カペル独奏 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番、リスト:メフィスト・ワルツ第1番ほか
単売品でのおすすめをもう一つ。ウィリアム・カペルの録音は上のホロヴィッツに比べればクールですが、こちらはこちらで聴者を曲に惹き込む魅力十分な演奏。青白い炎が踊ります。他にシューベルトやブラームスの小曲の好演奏も収録!
おすすめ名著:
福田 弥 著『作曲家◎人と作品 リスト』
最新の研究成果を元に謎の多いリストの経歴に迫るとともに、ピアノ曲の作曲家という一般的な認識に一石を投じようと、管弦楽作品・宗教音楽作品の紹介にも勤めていることが長所。知られざるリストの多面性に目が開かれる一冊です。おすすめ作品も聴き進めるに役立ちます。
◎アンドレ・ジョリヴェ:パーカッションとオーケストラのための協奏曲
Lesson31 真澄、千秋と共演。「あなたからも卒業できます!!」
録音自体すでに稀です!:
CD フォレスティエ指揮 オーケストラ・アンサンブル金沢 ジョリヴェ:打楽器と管弦楽のための協奏曲ほか
(今のところ)これしか聴けない!という一枚。
◎ヨハン・ゼバスチャン・バッハ:マタイ受難曲 BWV244
Lesson33 「めずらしいですねー、千秋先輩が歌を聴くの」
おすすめ名盤:
CD 鈴木雅明指揮/バッハ・コレギウム・ジャパンほか バッハ:マタイ受難曲 全曲
バッハ宗教合唱曲の名作の一つ、マタイ受難曲。古楽器演奏者の録音も数多くありますが、響きの清澄さが素晴らしい日本の鈴木雅明指揮/バッハ・コレギウム・ジャパンの録音を代表として取り上げましょう。バッハの声楽曲は、他にもヨハネ受難曲、ミサ曲ロ短調、クリスマス・オラトリオ、カンタータその他、名曲が多数。この曲を手始めにいろいろと楽しんでみては如何でしょうか。
CD クレンペラー指揮/フィルハーモニア管弦楽団ほか バッハ:マタイ受難曲 全曲
もう一つは、20世紀前半のスタイルの代表盤として、国内盤でも手に入り易くなったクレンペラー指揮の録音を。古楽器演奏者の録音と聴き比べる事があるならば、その印象の違いにおどろかれるかと思います。重厚な大音量で、苦難のドラマを描くバッハと言えましょうか。
おすすめ書籍:
鈴木 雅明・加藤 浩子著『バッハからの贈りもの』
上にCDをご紹介した鈴木雅明氏のインタビュー形式の書籍(インタビュアー、加藤浩子女史)。演奏家・研究家の視点から、バッハの音楽にどう接するかについて、楽譜の選択、読み方、演奏としての表現の仕方等々、話題は多岐に及んで居ます。鈴木&バッハ・コレギウム・ジャパンのファンならずとも、バッハとその時代の音楽、また、古楽全般についてご興味がある皆様など、ひろく楽しんでいただける一冊です。
◎往年の名ヴァイオリニスト ヤッシャ・ハイフェッツの録音
Lesson33 うわっ・・・・・・ハイフェッツの60枚組のCD・・・・・・
おすすめ名盤:
輸入盤CD ハイフェッツ録音集 Original Jacket Collection: Jascha Heifetz(10枚組)
ヴァイオリン演奏に一時代を築き、デビュー当時先輩諸氏に引退を考えさせたというハイフェッツ。いまでもその素晴らしい技術・音色には、ただただ感服させられます。60枚組ではありませんが、円熟期のRCAの録音を集めた10枚組。バッハの無伴奏ソナタとパルティータの他、ベートーヴェンやチャイコフスキー他の有名なVn協奏曲も収録。ハイフェッツ入門ならびにヴァイオリン曲入門としてもうってつけです。
輸入盤CD EMI ハイフェッツ録音集 Icon: Jascha Heifetz (6枚組)
もう一つ、安価で良いセットがEMIのハイフェッツ録音集。こちらは、録音時期は1925年から1949年と若い頃のハイフェッツのめざましさが楽しめます。協奏曲では、ビーチャムや若きバルビローリの共演も多数あり、彼ら往年の指揮者のファンにも嬉しいもの。曲目詳細は、こちらで確かめられます。上のセットと合わせれば、ハイフェッツの概要を掴むに、まずは十分というものでしょう!
おすすめDVD:
DVD B.モンサンジョン製作『アート・オブ・ヴァイオリン』
既にご紹介済みですが、今一度!往年の名ヴァイオリニストの映像を集めて、ギトリスやイーダ・ヘンデルの他、若い世代代表のヒラリー・ハーンなどの現代のヴァイオリニストがコメントを交えて紹介するという傑作DVD。ヴァイオリンに関する演奏者、奏法、楽器そのもの、そして名曲に親しくなること請け合い。未見でしたら、ぜひお手元に!
◎セザール・フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調
Lesson33 「峰が試験でやった」 「ピアノもカッコイイんですよね〜」
おすすめ名盤:
CD ティボー(Vn)&コルトー(P) フランク、フォーレ&ドビュッシー : ヴァイオリン・ソナタ
これは1930年代の大変古い録音で、ノイズも強いのですが、ぜひ!という録音。微妙なテンポのゆらし、音の強弱の変化等々、趣向を凝らしているにもかかわらず大変自然で、「フランクはこうでないと!」と思わせます。これを聴くと、他の名演も物足りなくなるのでは?19世紀フランスの名ヴァイオリン・ソナタを3曲集めているのもおすすめしやすいポイントです。
輸入盤CD ダヴィッド・オイストラフ EMI全録音集(17枚組)
フランクの曲のためにこの17枚組、、、しかし、上述のハイフェッツと並び19世紀の名ヴァイオリニストとして名高いオイストラフのこの録音集!価格は驚くほど安価にして、ヴァイオリンの名曲もたくさん、また殆どが大変な名演奏。オイストラフを知るにも、ヴァイオリン曲になじむにも、大変おすすめです。室内楽はあまり入っておりませんが、それでもフランクのVnソナタに、シューベルトのピアノトリオ第1番など、名曲・名演が数枚分。ぜひご一聴を!
おすすめ名著:
ハラルド・エッゲブレヒト著『ヴァイオリンの巨匠たち』
ヴァイオリニストに関する批評本ですが、著者にはマックス・ロスタルに師事したという経歴もあり、一般の批評集とひと味違うように思います。クラシックのポップス化路線への危機感を根底に、往年の大家からじっくり振り返ってみようと、古くはヨーゼフ・ヨアヒムやウジェーヌ・イザイに始まり、若手演奏家のヴァディム・レーピン、五嶋みどり、ヒラリー・ハーン他まで、およそ100名の演奏家を紹介。オレグ・カガンやインゴルフ・トゥルバンなども登場!それぞれの演奏家について、経歴、特色、録音やコンサートの感想をていねいに記述。あまり悪い事は書かず、総じてマイルドな口調ながら、著者のちょっとした記述の変化に、その趣味が伺えます。
◎エドワード・エルガー:ヴァイオリン・ソナタ、威風堂々ほか
Lesson33&34 「オレがジイさんに弾いてやった最期の曲・・・」
おすすめ名盤:
CD 五嶋みどり(Vn)&M.マクドナルド(P) エルガー&フランク:ヴァイオリン・ソナタ
五嶋みどりさんの大変人気の高い録音。エルガーのヴァイオリン・ソナタのCDはなかなか選び難いものですが、上にでてくるフランクのソナタとのカップリング。お手にとりやすい一枚でしょう。
輸入盤CD バルビローリ指揮 エルガー:管弦楽曲集
《威風堂々》ほか、管弦楽の名曲を集めたEMIのお買い得Boxシリーズの一つ、10枚組。バルビローリのメロディアスな音楽作り、高音も低音も耳に障らないバランスの良さが、親しみ易いもの。エルガーにちょっと詳しくなりたいという方に、おすすめです。
輸入盤CD バルビローリほか指揮 エルガー:コレクターズ・エディション(30枚組)
こちらは浩瀚なエルガーの30枚組。管弦楽曲、合唱曲、室内楽曲などさまざまな曲を収録。エルガーを詳しく知りたいという場合には、うってつけのセットです。管弦楽曲に関しては、すぐ上のバルビローリの録音と同じものが多いので、その点、ご留意を。1枚分が、エルガーの自作自演(指揮をしています)録音を含んでいるのも嬉しいところです!
おすすめ名著:
ビートルズに負けない近代・現代英国音楽入門
タイトルからちょっと判別し難いかもしれませんが、実はクラシック音楽案内書。比較的気軽な本ですが、近現代イギリス音楽の紹介書は少なく、とっかかりとするには十分な知識が得られる一冊です。
のだめカンタービレ第6巻についての、Look4Wieck.comのおすすめ名盤・名著はここまでです。
既巻に追いつくまでまだまだですが、、、一風変わったご紹介になっていれば幸いです。タイムリーなご購読には、ぜひRSSをご活用ください。
では!
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